第1章「A Day of spring」
....#21 ピクニック後編
「……ねえローザ」 「なあに?」 「前から聞こうと思ってたんだけどさ、セシルちゃんのことさ、どう思ってるわけ?」 「え?」 唐突にそう切り出されてローザは思わず立ち止まってしまった。 メアリは妹の極端な反応に少し面食らったが、冗談めかした顔をしてかまわず続けた。 「あんた達、昔っから特に仲が良かったでしょう? だから、なんとなくね。カインとも言ってたんだけどさ」 「やだなぁ。そんなわけないでしょ。だってあのセシルだよ? 確かに幼なじみだけど……」 「住む世界が違う?」 「うん」 「まぁ、確かにそうだとは思うけどね。ほら、セシルちゃん昔から友達が少なかったでしょ。年の近い友達なんて唯一あんただけだと思うわよ。だから……」 「だから?」 ローザはきょとんとした顔で姉を見つめる。 「……ああもう、いいわ。あんた達、話になんないっ」 メアリはあきれ顔でそう言うと、荷物を持ち直して歩き出した。 |