雨の日にはひとりの時間が長くある。
まだ詳細は知らされていないが、セシルは彼自身が望んだとおり、近々正式に陸軍に配属されることになりそうだった。前線と本国を行き来しているベイガンが次に戦場へと戻る時がたぶんその時だ。
その時には、自分も前線へと赴くことになる。
戦争がつまり殺し合いの場であることは頭では理解している。命を落とす可能性が高いということも。
(明日は晴れるかな……)
ひとりの時間は少ない方がいい。 ひとりでいると、恐れが忍び寄り、自分をただの臆病な子供に戻してしまう。
ひとりはいやだ。