第2章「ESCAPE」

....#57 予感


飛空挺内では、セシルの帰りを待つエイリが不安を隠せない表情で通信の入らない無線機を見つめていた。

最後の通信からもう三時間近くになろうとしている。何かあったとしか考えられない。各艦内はまだ怪我人の手当に追われていて、操舵士も殆ど救護の手助けに出ていた。


「隊長……」


エイリは部下に聞こえないように小さく呟いて俯いた。

嫌な予感が当たってしまったような気がしていた。





Home | Back | Next